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リウマチ(RA)について

膠原病と代表的な類縁疾患

診断・治療について


大見出し:リウマチ(RA)について

関節リウマチ(RA)は、多発性関節炎のため、手の指や手首、肘、膝、足首、足の指などいくつもの関節が腫れて痛む病気です。 

症状が進行すると、骨や軟骨が破壊されて関節に変形が起こり、関節の可動範囲が狭くなり、日常生活に支障をきたします。 
関節リウマチの原因については諸説さまざまあり、ウイルスや細菌感染、ストレス、出産を機に自身にアレルギー反応を引き起こすなど自己免疫疾患のひとつとされ、膠原病の代表的な病気とされています。


● リウマチの主な症状

手足の関節に炎症をきたし、その結果「関節痛」「関節の変形」を引き起こします。
進行すると、関節が徐々に破壊され、やがて機能障害(歩けなくなる・物を持てなくなる)に至ります。また、血管や心臓、肺、腎臓といった全身の臓器にも障害をきたす場合があります。
リウマチの主な特徴として「関節に痛む腫れを生じる」点が挙げられます。
その症状を特に起こしやすいのが、手首、または手足の指の関節です。また、対称性のことが多いとされていますが、個人差もあり、完全に左右対称というわけでもなく、左右差が認められることも少なくありません。

関節リウマチは、膠原病(自己免疫疾患)における代表的な疾患ではありますが、原因については現在のところ、完全な解明には至っておりませんが、近年、治療法・原因なども飛躍的に研究が進んでいる分野でもあります。
しかし長年による研究の結果、原因の一旦として、細菌やウイルスなどの外敵を攻撃し体外に排除するための免疫機構が異常をきたすことによって、自身の組織を「異物」と誤って認識してしまい、これらの組織を攻撃して関節・筋肉・皮膚・血管・腎臓などに炎症反応が表れることが分っています。
更に、関節の内面を覆っている滑膜細胞の増殖が起き、それに伴い痛みや腫れが引き起こされます。
そして、進行すると関節に関節液が蓄積されて行き、軟骨や骨が破壊されて行きます。

● 関節リウマチの主症状について

初期の自覚症状としては手指の関節、または足指の関節に違和感を覚えるようになり、次第に肘、膝、手首などの大きな関節に痛みを感じるようになります。
また、痛みは気温や天候などと密接に関わっていて、暖かく晴れた天気が良い日には症状が軽く、湿度が高い時や天気が悪い日(雨の日、冬場など)には痛みが強くなります。
また、夏場でも冷房の風が直接患部に当たることで関節痛が起こります。


● リウマチ性疾患の関節以外の症状

リウマチ(RA)、皮膚筋炎(DM)、多発性筋炎(PM)、強皮症(SSc)、全身性エリテマトーデス(SLE)などの膠原病では、関節痛の他に次のような症状が表れる場合があります。

◎ 全身症状

慢性的消耗性疾患で、長期的な延炎症によって倦怠感や食欲低下、疲れやすいといった自覚症状があります。 同様に発熱が長く続き、それが受診のきっかけとなることもあります。

◎ レイノー現象

冷気や冷水などで、指先が白色や紫色に変化するなどの症状が表れます。
寒冷により誘発され、痛みやしびれを伴うことが多く、冬場になると潰瘍を形成することもあります。
基本的には、閉塞や狭窄ではないので、保温や血管拡張剤で改善されます。

◎ 皮膚症状

リウマチ(RA)では、体の中で加圧されやすい肘の外側や後頭部、腰骨の上などの皮下にしこりを生じる場合があり、リウマチ結節と呼ばれています。
皮膚筋炎(DM)ではまぶたにヘリオトロープ疹という紫斑が発症します、また手指にゴットロン兆候という発疹が表れます。
強皮症(SSc)は初期に手が腫れぼったくなり、その後硬くなるためこのように呼ばれています。全身性エリテマトーデス(SLE)では、顔面の頬に蝶形紅斑が表れるのが主な特徴です。
その他、シェーグレン症候群(SjS)では一部の患者様に環状紅斑が見られます。

◎ 臓器病変

膠原病は、間質性肺炎(IP)という非感染性肺炎を合併することでより重篤な状態に至るケースがあります。
特に皮膚筋炎(DM)で、ある自己抗体が出ている患者様の場合、急速に間質性肺炎(IP)が進行し、肺線維症から呼吸不全に至る場合が多いため、早期の診断と治療開始が欠かせません。
リウマチ(RA)では、アミロイドという物質が沈着してアミロイド腎症を、強皮症(SSc)では強皮症腎、または腎クリーゼに至る場合があり、治療の開始が遅れると血液透析を検討しなければなりません。
全身性エリテマトーデス(SLE)やベーチェット病では、中枢神経ループスや神経ベーチェットという治りにくい病態を合併する場合があります。
さらに、全身性エリテマトーデス(SLE)ではループス腎炎が高い割合で併発しますので、腎生検による腎炎重症度の診断が必須です。


臓器障害は早期発見が重要であることは間違いありませんが、出現する時期、パターン、合併する場合はその程度もまちまちです。リウマチ性疾患を患っていても、皮膚症状、関節症状が中心で、肺や腎臓などの臓器障害を伴わない方も多くいらっしゃいます。大事なことは、変化を感じた際に適切な検査で状況を把握し、適切な治療を行うことです。当院では、このような変化を感じた際の、相談窓口としての役割、適切な検査のご提案・ご案内、治療を含めた継ぎ目のない医療を提供いたします。

膠原病と代表的な類縁疾患

皮膚筋炎・多発性筋炎(DM/PM)

主に四肢近位筋、頚や咽頭筋などの炎症により対称性筋力低下をきたす病気です。特徴的な皮膚症状を伴う場合は皮膚筋炎と呼ばれます。
発症年齢は、5〜15 歳に小さな、40〜60歳に大きなピークがある二峰性があり、女性が発症しやすいようです。高齢者や皮膚症状を伴う場合は、悪性腫瘍を合併することがあります。

  • 「疲れやすい」「力が入らない」「階段の上り下りがつらい」「しゃがみ立ちが難しい」などの四肢筋力低下症状
  • 頚筋の障害による「頭が枕から持ち上げられない」や、咽頭筋の障害による「物が飲み込みにくい」などの症状
  • 筋肉の自発痛や圧痛
  • 上眼瞼の腫れぼったい紫紅色の皮疹(ヘリオトロープ疹)や、手指関節背側に対称性に落屑を伴う紅斑(ゴットロン徴候)が特徴的皮膚症状
  • 節痛や関節炎(リウマチのような関節破壊や変形は伴わない)
  • レイノー現象(強皮症のような皮膚潰瘍や手指壊疽には至らない)
  • 間質性肺炎を合併した場合は空咳や息切れなどの症状が認められる


● 強皮症(SSc)

皮膚のみに硬化が起こる場合と、皮膚や内臓が硬くなり経過ととも肺や腎臓などの臓器障害をきたす全身型の2つに分類されます。

30〜50歳代の女性に多くみられますが、高齢者に発症することもあります。
臓器の線維化と血流障害により、多くの症状が表れます。

  • レイノー症状が初発症状として最多
  • 手指→手背→前腕→上腕→躯幹へと身体の中心部分に皮膚硬化が進む
  • 指尖部の潰瘍
  • 舌小帯の短縮
  • 肺線維症による呼吸困難
  • 強皮症腎クリーゼによる高血圧
  • 食道の硬化による逆流性食道炎

● 全身性エリテマトーデス(SLE)

発熱や倦怠感とともに、皮膚や関節、全身の臓器に様々な症状が現れます。
統計上では10〜30歳代の若い女性に多く、風邪などのウイルス感染、妊娠、出産、薬剤などが誘因要素と考えられますが、明確な原因についてははっきりしていません。

  • 原因不明の発熱が続く 頬から鼻にかけて蝶形紅斑とよばれる皮膚症状が特徴的
  • 日光に当たった部分が真っ赤になり、時には痒みや水泡を伴う(日光過敏)
  • 脱毛
  • 口腔内潰瘍(比較的痛みを伴わない)
  • 移動性の多関節痛(リウマチとは異なり、関節破壊を伴わない)
  • 臓器障害:胸膜炎や心膜炎、白血球減少や溶血性貧血などの血液障害、腎障害(ループス腎炎)、痙攣やうつ状態などの神経障害(CNSループス)


● シェーグレン症候群(SjS)

40〜60歳代の女性に多く見られ、主に眼や口腔内の乾燥などの自覚症状の他に、全身の外分泌腺も障害されます。シェーグレン症候群単独の原発性と、関節リウマチや全身性エリテマトーデス(SLE)に合併する二次性とに分けられます
また、乾燥症状主体の腺組織に限局するタイプと、間質性肺炎や腎障害、四肢麻痺などの神経症状、リンパ腫などの合併症を併発する腺外型があるため、経過観察には注意が必要です。

  • 「涙がでない」「眼がごろごろする」「まぶしい」「眼がかゆい」などの眼の乾燥症状
  • 「唾液が出ない」「喉が渇く」「食べ物が飲み込みにくい」「虫歯が増えた」などの口腔内乾燥症状
  • 顔面や躯幹、上肢に軽度隆起する環状紅斑が特徴的
  • 移動性の多関節痛
  • レイノー現象
  • その他、鼻腔の乾燥による鼻出血、膣乾燥による性交不快感など


● ベーチェット病(BD)

アフタ性口内炎、皮膚症状、眼症状、外陰部潰瘍といった症状を主とした、難治性の全身性炎症疾患です。20〜40歳代に発症することが多く、長期に渡り悪化と寛解を繰り返します。発症は男女ともにみられ、眼の病変は男性に多い傾向にあります。
原因は不明ですが、HLA-B51遺伝子の陽性率が高く、細菌やウイルス感染、その他の環境因子により、白血球の機能が異常亢進したことにより全身の臓器に炎症を引き起こします。

診断・治療について

それぞれの疾患について主な症状の診断と、血液検査、画像検査を含めた総合的な情報をもとに診断を行います。
リウマチの治療には、各種抗リウマチ剤、免疫抑制剤、生物学的製剤など色々な種類があり、病状などに合わせて選択していきます。患者様の痛みや炎症を抑制し、関節の破壊や変形を進行させない効果が期待できます。 リウマチ薬には主に下記のような薬があります。


● 非ステロイド製剤

炎症を抑え、痛みを和らげる作用があります。作用の強弱、持続(半減期)の長短、投与経路の違い(経口、坐薬、注射)、副作用軽減の工夫(腸溶剤、徐放剤、プロドラッグなど)で多種多様なお薬があります。


● ステロイド剤

炎症を抑える作用と免疫異常を抑える作用があります。ステロイドと聞くと、副作用を心配される方が多いのですが、少しずつ調整して減らしていくことで影響を押さえることができます。


● 抗リウマチ剤

免疫異常を是正するお薬で、効果が出るまでに通常、数週間~数ヶ月ほどの時間を要します。


● 免疫抑制剤

免疫異常を抑制するお薬です。抗リウマチ剤と併用することもあります。リンパ球や炎症性サイトカインの産生を抑制します。